「リボーン」孤高のライオンとプライドたちの物語Season1|プロローグ

■プロローグ■

「なんでかえへんねやぁ!!!」

どこかで聞いたことがある声だ。いや、「声」とは大変穏やかな言い方で、実際のところライオンの咆哮(ほうこう)にしか聞こえない。

ライオンの咆哮

この雄叫びを聞いただけで身長二メートルの大巨人藤原や、芸人「橋本松川」の松川あたりはしょんべんをちびるだけでは済まされず、恐怖のあまり脱糞するであろうことは想像に難くない。

でも、まさか。なぜから、ここは筆者(ヤギ)の自宅の中だったからだ。

本文

早稲田大学庭球部関係者なら「ガル」のことを知らない人はいない。

いつも虎のようにガルルルッ!と怒っていることからこのあだ名が付いた筆者の2つ上の大先輩だ。

虎

筆者はガル最大の被害者である。毎日部室の前で説教、というより、ほぼ折檻(せっかん)されていた。外資系企業やソフトバンクでいうところの「上司からの劇ヅメ」というやつである。

あまりに凄惨すぎ、本一冊軽くかけてしまうくらいのガルからの日々のイジメは、一年で終わるのが通例だ。なぜなら一年間我慢すれば後輩が入ってくるからだ。

しかし筆者は運が悪かった。

筆者の一つ下に特待生として早稲田に入ってきたのは、あの原田夏希だった。同じ原田夏希でもこっち(下記画像)のほうなら大歓迎なのだが、ナメたほうの夏希が入ってきたのだ。

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山頂の展望デッキ スカイアイ2237

原田夏希 NATSUKI HARADAさん(@natsuki_harada)がシェアした投稿 –

アスリートの世界は「強いものが威張る」という非常に単純明快なヒエラルキー構造になっている。

筆者はそのせいで高校二年生三年生のときに、強すぎた同期の恐竜たち(増田谷澤石井)から「かわいがり」にあっていたのだ。

ティラノサウルスとトリケラトプス

夏希は入部時点ですでにガルより強かった。いくらガルとはいえ、自分より明らかに強い男を、ただ後輩だからという理由でいじめられるほどのメンタルはもっていない。

となると、何が起こるかは火を見るより明らかだ。

夏希は人なつっこい、というよりあのナメチョビくさったキャラを押し通してイジメには一切あわず、本来ガルのターゲットになるはずだった夏希の代わりに、筆者が生け贄(いけにえ)として再びガルに差し出されたのだ。

そのおかげで、高校二年生のときから大学二年生の終わりまでの都合四年間、筆者は恐竜や虎からハラスメントを受け続けたのであった。

その2に続く