ヤギ、大人の階段をのぼるシリーズ「ズボン事件」の真相を解いてみる

筆者(ヤギ)は、自分で言うのも何だがルックスがイケていると言えなくもないとは言えない。

「ヤギはブ雄」

と、わずか5文字で意味が理解できる簡単な文書を、ドイツの哲学者マルティン・ハイデガーになりきったつもりであえて難解複雑にしてみたところに、筆者のオスとしての最低限のプライドをかすかながらで結構なので感じ取っていただけると幸いだ。

解説

「ブ男(ぶおとこ)」でも良かったが、「お前はヤギなんだから男じゃなく雄(おす)だろ」とツッコミを受ける前の事前防衛策として「ブ雄(ぶおす)」とした次第だ。人類総炎上時代とも言える今の時代に「物を語る」という行為は、本当に気を使うものであることをあなたにも知っておいてほしい。

その、ルックスがイケていると言えなくもないとは言えない筆者は、その素晴らしすぎるルックスと反比例するかのように、なぜか不思議と美人に縁が多いことで有名だ。

スペイン系美女

補足

ただし、炎上を未然に防ぐために申し上げておくが、決してモテていたわけではなく「ただ縁があった」だけであることを念のために補足しておきたい。

筆者自身も、なぜ自分が美人に縁があるのか理由はさっぱり分からないが、きっと「ヤギだから」が正解率89%の回答であろうことは間違いない。

と書くと、「ほんとはヤギの皮をかぶったオオカミなんでしょ?」とツッコミが入る確率が92%なので、まずはそこに答えておこう。

羊の皮を被った狼

筆者への熱心なディスラーにB場内D造という男がいる。「リボーンSeason7」でも名前が登場するのでヒマな人は読み返してみてほしい。現役時代から今に至るまで、筆者を見つけてはディスりの限りを尽くすこと火のごとしであり、そのB場内が、とあるSNSで、

「小鹿のクセにヤギのフリをして調子コいてる」

と筆者をディスっていたのはほんとについ数日前のことだ。

筆者自身は、自分のことを「ヤギの皮をかぶったチョコボール向井」と密かに思っていなくもないが、筆者のことを筆者よりも良く知るB場内が「お前の中身は小鹿だ」というのだから、女性から見た筆者は、「小鹿からヤギの間の非常に安全な生き物である何か」と認識しているのであろう、きっと。

チョコボール向井
画像引用元:チョコボール向井「哲学」より

だからこそ何一つ警戒することなく美人が寄ってきてくれるのかも知れない。

また、どうでもいいが、筆者があこがれているのはチョコボール向井でも加藤鷹でも一徹でもなく、圧倒的に大島丈(おおしまじょう)だ。

大島丈
出典:大島丈公式Instagram

というわけで、貴女が「大島丈」のDVDを借りて日本一のささやき声の虜(とりこ)になる前に本文に入ろうと思う。

ズボン事件

うだるような8月の暑い日だった。

筆者(八木)は、関西方面で開催されていたジュニアの全国大会で敗退し、次の大会のために東京に行く途中、なんとも言えない美しい瞳を持ったある美人選手(以降カナミ)が宿泊しているホテルの部屋に2時間ほど滞在していた。

細かい経過は記憶していないが、「八木君、一緒に東京に行かんね?」と誘われ、荷物を置いていたカナミの部屋に立ち寄っていたのだ。
※ヤギの「ギ」にアクセントをつけて筆者を呼ぶカナミの地方なまりがたまらなく好きだった

ホテルで靴を脱ぐ女性

クーラーの効き目が異常に悪く、部屋の中がずいぶんと暑くなり室温は30度を軽く超えていた。

上は襟付きのテニスウェアで、下は短パンの上にトレーニングウェアの長ズボンを履いていた筆者は、あまりに暑かったので、

「(暑いから)長ズボン脱いで短パンになっていい?」

とカナミに聞いてみた。

そこそこ付き合いの長い知り合いだったし、余裕で童貞だった当時の筆者に下心などあるはずもなかったし、本来であれば何も言わずに脱いでも構わなかったが、一応礼儀として聞いてみたにすぎなかった。

しかしカナミは、拳(こぶし)を口に当てながら無表情でこう答えた。

ロシア美女

反撃を試みるも、、、

ちょっとしたパニックになってしまった。

「いや、俺童貞だし!」
「くちびるってイチゴの味がするってほんと?」
「洗濯屋ケンちゃんなら見たことあるぞ」

などなど、分かるようで分からない言い訳が頭の中をぐるぐる回りまくり、最適解を考えているうちに、

「おれ、お前になんか興味ねえし」

という、このケースにおいて最強の言い訳が筆者の脳裏に沸いてきた。さすが「カミソリの柄(え)」との異名を持った切れ味抜群の筆者である。そうだ。このセリフを言えばいい。男にとって大事なのはプライドだ。なめられてたまるか。

なめんなよ なめ猫
画像引用元:なめ猫

なんしいワシが年下であるおめえにズボン着脱の許可をもらわにゃあおえんのんな、と。
※岡山弁。標準語だと「なぜ僕が、、、、許可をもらわないといけないんだ」

「ガツンと言え、言うんだヤギ!お前は男だろ?年下の女の風下に立つなんざあっちゃならねえことだぞ?お前になんか興味ねえし!とバシっと言うんだ!!」

と心の中で葛藤し、自分の中では1分くらいのシンキングタイムのつもりだったが、気づいたらあっという間に1時間が経過しており、さきほどまでドストエフスキーの「罪と罰」を読んでいたカナミはスヤスヤと眠りについていた。

大和田南那の寝顔
画像引用元:大和田南那公式google+

そのカナミがつい先日、「リボーン面白かったとよ」と30年ぶりに突然連絡をくれたことにはビックリしたが、勇気を振り絞ってこの時のことを聞いてみた。

もちろんカナミはイチミリも覚えておらず、まあそれはそれでOKとして、さて、ここで一つ問題が浮かび上がってきた。ヤギ(筆者)はあの事件で何を学んだのかという問題だ。

あの事件から、はや30年が経過した今、冷静に考えてみたが、出てきた答えはこれ↓だけだった。

俺はあの時、大人の階段をのぼったんだな

興味がないはずがなかった。一緒に新幹線で東京に行こうと誘われた時は、平静を装ってはいたが嬉しくないはずがなかったし、カナミのホテルの部屋に入れる特権を持っていた男は筆者くらいであったろう。

あの当時、カナミを知る人間はみんなカナミに一定以上の感情を抱いていたはずだったし、たしかにあのとき、カナミのいい匂いであふれるホテルの一室で、筆者の心臓はまあまあどころじゃ済まされないくらいバクバクしていた。

不必要にキョロキョロあたりを見渡したり、アキレス腱を伸ばしてみたり、「新幹線座れるかな?」とどうでもいいことをカナミに話しかけてはドスルーされること6回くらいは軽くあったことも鮮明に記憶しているし、新幹線の隣の席でスヤスヤと眠るカナミの寝顔を、4時間以上の新幹線の中で何度も何度もチラ見してしまったのも事実だ。

チラ見する男性

見るなと言われたって無理に決まっている。美人で全国的に名が知れ渡ったあのカナミが隣の座席で無防備に眠っているのだ。なんならTシャツの胸元の隙間からカナミのゴールデンバレイがあわよくば見えやしないかと、筆者は色々と体勢を変えては、カナミが「うーん」と寝返るたびに、

「あー腰いて」

とばかりに、腰をさすりながらストレッチをするふりをしてごまかしていた回数も1回や2回じゃ済まされなかった。

腰が痛い男性

間違いなく筆者はカナミに興味があった。というか正確にはカナミの女体に興味があった。思春期の童貞青年なんだから仕方ないだろう。恋愛感情とかそういうのではなく純粋に絶好調に性に芽生え始めていた年ごろに、刺激の強すぎる女に出会ってしまったわけだから本人(筆者)にどうこうできる問題ではなかったのだ。

というわけで、結局カナミのゴールデンバレイどころかブラの肩ヒモすら拝(おが)むことはできず、

「じゃあまた会場でね」

と何事もなかったように東京駅で笑顔でバイバイしているカナミに、短期間で重度の顔面神経痛を患ってしまった筆者は、スタジオアリスで写真撮影するときの5歳児くらいぎこちない笑顔をしながら、精一杯の意地としてサムアップをしながら見送ったのであった。

バイバイする美女

なお、ヤギが大人の階段をのぼったシリーズは、この事件から5年後にも起きていて、そのことはすでにリボーンSeason5で書いてあるので読み直してほしいのと、あの時のカナミのセリフ「ダメ~」は、実はロシア語のダー(da いいよの意味)をヤギ語に語尾変換させた、

「ダーメエ(いいよ)」

だったのではないかという疑惑が最近新たに持ち上がるに至った。

筆者にだってプライドはある。たまにはなんとか肯定的な結論で物語を終わらせたいと必死に考えてみたのだ。でも、ただの時間の無駄だった。

いくら当時のカナミがドストエフスキー(ロシアの作家・思想家)の本を読んでいたからといって、ロシア語を勉強するとは思えないし、当時の筆者はヤギどころか、せいぜいがバンビ(小鹿)だったのだから、メエというセリフが出てくるわけもない。

二人の人生はその後ほぼ全く交わることなく、赤の他人として30年間を過ごし、「リボーン」の連載をきっかけに連絡を取り合うようになったものの、だからといって彼女が筆者に興味があるわけもなく、もし仮に会う機会があり、

「一緒に博多まで行かんと?」

と言われ、カナミの部屋に再び2時間ほど滞在することになったらどうなるか。

カナミの愛読書だったドストエフスキーの「罪と罰」に下記のような一文がある。

「新しい一歩を踏み出すこと、新しい言葉を発することは、人々が最も恐れることである。」

ドフトエフスキー「罪と罰」

筆者は30年前の「ダメ~」を思い出してカナミから再び拒否られることを恐れ、新しい一歩を踏み出すどころか、今度はアキレス腱を伸ばすことすら躊躇してしまうのはまず間違いない。

そして沈黙に耐えられず、

「メエ~」

と、笑いをとるために渾身の一発ギャグをかましてみたものの、30年前と同じくカナミに華麗にスルーされ、自分の成長の無さにただただ嘆き悲しむのが関の山だろう。がんばれ俺。

空白の30年編に続く